· 

回想のゲーム黄金時代(4)『Oh! HiTBiT』の日々

私が在籍した『Oh! HiTBiT』編集部は、ソニーのMSX PCHiTBiTの専門誌だった。

 

HiTBiTは、広告のイメージキャラクターに松田聖子を起用していたが、HB-101HB-F1XDなどほかのMSXマシンに比べて、赤をポイントにしたデザインが印象的だった。

 

Oh! HiTBiT』は、HiTBiT関連記事のほかにSMCSony Micro Computer-777に関連した記事も掲載していた。あのころ3.5インチFDD(フロッピーディスクドライブ)を搭載していたSMC-777は珍しかったが、十字方向キーが1枚の正方形のパッドになっていたところも画期的だった。

 

PCユーザーの人気のマシンといえば、キャノン販売から販売されていたMacintoshだったが、このPCに比べるとSMC-777の人気はいまひとつだった。もっと評価されてもいい国産PCだと思っている。

 

 Oh! HiTBiT』の取材で、ときどき取材に出かけることがあった。今でも覚えているのが神田にあったHAL研究所だ。お世辞にも広いとはいえない会議室で『HALNOTE』の開発状況について広報担当の方に話をうかがった。

 

 『HALNOTE』は、たとえて言うと今のWindowsの『Office』のようなもので、当時のユーザーにしてみると理想的な統合型ソフトだったが、なかなか完成に至らなかった。

 

HAL研究所から貸してもらったβ版が編集部にあったので、試しに使ってみたところ、これはすごいと思った。早く完成版を使ってみたかったので、HAL研究所を訪れたわけだ。

 

そのときは、後日任天堂の社長になる岩田さんが、『HALNOTE』の開発に関わっているとはまったく知らなかった。

 

HAL研究所のほかには、ソニーのMSX事業部盛田課長(元ソニー・ミュージックエンタテインメント会長)にもお世話になった。『Oh! HiTBiT』が休刊する際五反田のソニー本社を訪れ、お礼を述べたことを覚えている。